地獄の加工研修、地獄に仏

 先々週から加工研修が始まった。典型的な文系人間の僕が作業服をきて、機械をいじるのは正直きつかった。電気や物理の知識だけでなく、基本的な工具の使い方も知らないのである。レンチでねじをはずそうとしてて、いくらまわしてもぴくりとも動かないので、先輩に「硬くて動かないんですけど」って言ったら、「いやそれ閉めてるから、動くわけないよ。反時計回りにまわすんだよ」って言われて、次に別のねじをはずすときに反時計回りに回したら、またぴくりとも動かないんで、先輩に助けを求めたら、「下から回すときには、逆になるから時計回りだよ」ってかなりあきれられてしまった。あほさ全開である。またあるときは、水浴加工中にタンクのロックをきちんと閉めてなくて、ナイアガラの滝の如くタンクから床に水がこぼれてしまって、床を水浸しにしてしまった。「うぁー!やってもったー」っと心の中で絶叫しつつも、どうしていいかわからなくて呆然と惨状を眺めていると、同期がすぐに駆けつけてくれて、どこからかバケツとかも持ってきてくれて、「先輩に見つかる前に早く拭こう」って言って、みんなで床を拭いてくれた。つくづくいい人たちやなーっと感動してしまった。
 自分以外全員理系なんで、機械のこととか電気のこととかわからんことがあれば同期に聞きまくって、なんとか作業をこなすことができた。ほんまに地獄に仏というか、この人たちの助けがなければ、どうなっていたか考えるだけでもおぞましい限りである。しかしこの人たちのおかげでこの一ヶ月で科学の知識が結構増えたように思う。あと研修を担当してくれた先輩とかもいい人ばかりで、気長にいろいろと教えてくれた。
 そんなこんなで横浜で加工研修の前半を終えて、今週から福井に移動してきた。4月中旬だというのに福井は三月並みの寒さで、朝とかはストーブをつけてしまった。あとド田舎と言っても過言ではないくらい田舎なので、移動は全て会社の車である。でも車があれば、福井も結構悪くないかも。人がみんなまったりとしてて、いい人ばかりだ。あと女の子の福井弁は聞いてて、結構かわいいかも。話をしてると、ついついにやけてしまい、キショさパワーを最大放出してしまう。そんなこんなで、加工研修も結構楽しめてると思う。
 来月の中旬からはまた横浜に戻って、いよいよ本当の仕事が始まる。ある意味来月からが本当の社会人生活が始まるんやと思う。かなり緊張するけど、がんばります。